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オックスフォード大学の教授が、あと10~20年でAI(人工知能)やロボットで代替可能になる職業の調査結果を公表しました。また野村総合研究所の調査だと、日本の労働人口の約半数(49%)が不要になるという大胆な予測です。その中の一つに「不動産ブローカー」という表記があるため、「不動産仲介業が無くなるらしい!」と話題にする人がいます。

日本でいう不動産ブローカーとは、地位の高い米国の不動産ブローカーとはかなり違います。宅地建物士の資格を持たないで、売買情報を不動産業者に持ち込んで、うまく成約になれば手数料の一部を分けてもらう人達のことを言います。または、宅建資格は有しているが所定の事務所を持たないで、一匹狼のように単独で営業活動します。彼らの活動領域は手数料収入の多い売買案件が中心で、ブローカー同士の「口コミ」を武器にしてきました。
ところが、口コミよりも拡散力の高いIT化社会の現代では存在感が薄く、激減しています。

しかし、オックスフォードで言う「不動産ブローカー」とは、直訳すれば「不動産仲介業」と訳されるため、門外漢の人は単純に「不動産仲介業は消滅する」と連想するようです。
確かに、現在の仲介業のように買主の希望に該当する物件をひたすら探す業務は、AI搭載のロボットで可能になるでしょう。
しかしながITの進化に伴って、逆に人智を必要とする業務がクローズアップされています。
例えば、米国の「バイヤーズ・エージェント制度」です。不動産取引のIT化が進み、売主・買主の直接取引が可能になれば、支払う側の買主リスクが高まる一方です。不動産は高額な上に値段が一律でないため、アマゾンなどのECショップでバックや洋服を買うようにはいきません。
そこで、「買主代理人」として複雑な法的権利関係や瑕疵などに精通した高度な専門知識を持ったプロが、買主に代わって値段の交渉や安全な取引を代行する制度です。
また、売主は少しでも高く買主は少しでも安く買いたい、という利益相反関係のため、買主側だけではなく売主側の代理人も必要なケースが「セラーズ・エージェント制度」といわれるものです。

収益不動産の分野では、所有と経営の分離という考え方から「不動産の経営代行のプロ」プロパティマネージャーが必要とされています。
収益不動産から得られる収益を最大限に高めるために、所有者の立場になって不動産運営します。その業務の中にはリーシングマネジメント(斡旋・仲介営業)、ビルディングマネジメント(ビルメンテンナンス・清掃・警備)、コントラクションマネジメント(工事・営繕・監理)なども含まれます。

以上のような、エージェントやプロパティ制度は、広い意味では仲介業務と言えます。従って、手紙やハガキの習慣が、メールに変化したように、仲介業務が無くなるのではなく、形を変えて存続するというのが正確だと思います。
しかし、メールの時代でも・・郵便局は顕在ですよね!!
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